もしも先輩が慌ててくれたら、私のいじわるは大成功です。
どうですか? なんとも思いませんか? それとも知ってたよと鼻で笑いますか?
それはそれで、私もはっきりあきらめられていいんですけど。
実はそうじゃなくて、なんだってー!って慌てたなら、してやったりです。
でもこのしがない後輩は、先輩からいじわるを学んでしまっていまして。
想いを伝えられて満足、という気持ちが、心の根っこにあったりします。
だから私、この手紙を書いてそれなりにすっきりしました。
もやもやした恋心を先輩に押しつけられて、明日から快適な高校生活を過ごせそうです。
もし先輩が「もやもやなんかしねーよ」と手紙を丸めて捨てるなら、それはそれでいいと思います。お互いすっきり、円満の解決です。
だけどもし、もやもやを感じてくれたなら、私に押しつけてもいいんですよ。
アドレスは当分変える予定はありませんから。
あ、彼氏ができたらわかりませんけど(^_^)
最後に。
先輩が新しい町で彼女さんを作ったとしたら、その人にはいじわるをしないでください。
髪をいじるとか、ノートに落書きをするとか、そういう子供じみたやつじゃないですよ。
いろいろな女の子に優しくしたり、笑いかけたり、逆に、彼女さんを友だちのように扱わないでって意味ですよ。
もしもそんないじわるが直らないようだったら、いつかきっと、かばんの奥底に新しい手紙がやってくると思います。
その時になって泣いて相談しても遅いんですからね。
先輩は鈍感で天然でいじわるなんですから。その辺を自覚して、しっかり行動してください。
それでは、こんな手段をとってごめんなさい。
それとも、ここはざまあみろのほうがいいですか?
できれば後者だったらいいなと思います。
それじゃあ、さようなら。
またね、は書きません。
しがない後輩より